ダブル~私が選ぶのはどっち~
確かにそんな事を言った覚えがある。

「本当に好きな子が出来たら、琴乃さんはセフレを卒業って事だよね?」

「そうね。」

私はさっきと同じようにうなずいた。

「じゃあ、その本当に好きな子っていうのが、琴乃さんっていう想定はあった訳?」

「ん?」

私は難しい表情をする。

「どういう事?」

和華も表情が固まる。

「琴乃さんを本当に好きになったら、セフレから恋人に昇格の可能性ありだったっていう意味に取ってもいいんだよね?」

私と和華はぐっと押し黙る。

「まあ、今更だけどね。」

慎はそう言うと、ご機嫌そうに笑った。

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