ダブル~私が選ぶのはどっち~
ちょっとこじつけっぽいけれど、それで慎が満足ならそれでも良いか。

和華も弾かれたように笑う。

「ちょっとずるい感じね。」

抱かれていた真紀ちゃんも一緒に笑い出す。

私達は夕方に和華の家をお暇する。

「新しい支社に行っちゃうとなかなか会えなくなってしまうね。」

少し寂しそうに和華が言った。

「また、来るから。もう音信不通にしないから。」

私は和華に笑いかける。

「バイバーイ。」

真紀ちゃんはそんな大人の雰囲気をよそに笑顔を慎に向ける。

「真紀ちゃんの写真、また送って下さいね。」

慎が真紀ちゃんに手を振る。

お名残り惜しかったけれど、私達は歩き始めた。

< 188 / 193 >

この作品をシェア

pagetop