ダブル~私が選ぶのはどっち~
想定外の草野主任の言葉に、私は一瞬動きが止まる。

「何を血迷っているんですか?草野主任らしくないですよ。」

私は我に返り、ふっと笑う。

「琴乃の言う俺らしいってどういう事なんだ?俺は琴乃を愛している。そして結婚したいと思っている。つまりこれはプロポーズだ。」

「セフレでしょう?私達の関係って。」

私は冷静に即座に答える。

「俺にはそんなつもりはない。なあ、どうやったらその年下くんと別れてくれるんだ?」

真面目な表情で草野主任から見つめられる。

「年下くん…、慎とは付き合っているわけではないから別れるも何も…。」

私は真面目に答える。

「あいつの誘いはよほどの事がない限り、断らないじゃないか。」

段々草野主任の声が大きくなって来た。

「落ち着いて下さいよ。それが彼との約束みたいなものだったから。草野主任とも約束したじゃないですか。」

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