ダブル~私が選ぶのはどっち~
「どういう事?」

「吉川さんって草野主任から言い寄られていませんか?」

私は怪訝な顔をする。

「どう見たって草野主任は吉川さんの事が気になっていますよね?でも吉川さんの方はあんまり相手にしていない感じ。」

そして矢田君は片方の口元に笑みを浮かべた。

「俺にもまだチャンスはありそう。」

どうして私の周りの男はこんな奴ばっかりなんだろう。

「それはどうかしらね。そんな話ならデスクに戻りなさい。」

私はきつい口調で、矢田君に言い放った。

「仕事中にそんな事ばかり考えている男は好みじゃないわ。さっきの草野主任の宿題をレポートにして提出しなさい。」

「えっ?」

「文章にした方が勉強になるでしょう。さあ、デスクに戻りなさい。」

矢田君はすごすごと自分のデスクに戻った。

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