ダブル~私が選ぶのはどっち~
私は疲れていたせいか、その助手席で眠ってしまった。

草野主任に運転してもらう事は仕事ではほぼ皆無のせいか、助手席で運転から開放されて緊張感を失っていたからかもしれない。

「琴乃、起きろ。」

私は少しムッとした草野主任の声に起こされた。

「いい気なもんだな。」

草野主任が溜息をつく。

「あれ?ここはどこですか?」

私は見慣れない場所に、きょろきょろとあたりを見渡した。

「俺のマンション。」

そうだ、ここはどこかのマンションの駐車場。

「ダメよ、嫌だ。」

私は4年の間、草野主任とセフレの関係だが、決して草野主任のマンションに来なかった。

草野主任のテリトリーでセックスをするのが嫌だったからだ。

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