ダブル~私が選ぶのはどっち~
それは当然、慎も同じ。

「いつも言っているでしょう。それなら帰る。」

私は車から出ようとした。

するとシートベルトを外していた草野主任が私に覆いかぶさった。

「今日は言う事を聞けよ。」

私の耳元で、低い声を出す草野主任。

「何を言われても嫌だ。」

私は草野主任を手ではねのけようとした。

しかし草野主任にがっちりと肩を掴まれた。

まだシートベルトを締めたままの私は圧倒的に不利だ。

それより…、やっぱり男の人の力にはとてもかなわなくて…。

私はそこで抵抗を止めた。

「もう、好きにすればいい。」

しかし私は草野主任から、顔を逸らした。

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