ダブル~私が選ぶのはどっち~
「琴乃…。」

そんな甘い声に騙されない。

「とにかく…、私は絶対あなたのマンションには入らない。」

「無理やり連れ込む事だって出来るんだぜ。」

私は冷たい表情で、草野主任を見る。

「別に構わないわ。その代わり、セフレ関係は解消。私は会社を辞めても良いわ。」

草野主任は目を見張った。

「あの時と違って、今なら転職のつてもあるし。写真だってばらまいても構わない。」

私は草野主任の身体を押す。

「本気よ。」

私は出来るだけ目に力を入れて、草野主任を睨みつける。

そして力の抜けた草野主任からするりと身体を逃した。

「さようなら。」

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