ダブル~私が選ぶのはどっち~
私は車を降りて歩き始めた。

何とかタクシーを拾って帰って来たが、だいぶ睡眠時間を削られてしまった。

朝日がまぶしすぎる。

私はよろよろしながら、次の日出勤した。

「おはよう。」

和華が少し心配そうに挨拶をしてくれた。

私はいつもより遅い電車に乗ったため、始業ぎりぎりにオフィスにたどり着いたのだ。

「琴乃、草野主任と何かあった?」

「えっ?」

私は草野主任のデスクを見る。

そこには、いつもの様子と違った草野主任がいた。

何か考え事をしているのか、頬杖をついて天を仰いでいる。

和華が心配していたのは、私ではなく草野主任だったようだ。

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