ダブル~私が選ぶのはどっち~
草野主任は苦笑いを見せた。

「みっともない事は分かっている。でも俺は琴乃をやっぱり愛している。それだけは分かってほしい。本当は直ぐにでも結婚したいくらいだがな。」

正直そんな草野主任の優しい言葉に全てを預けられたら、どんなに楽になれるんだろう…、ふと私は思った。

「俺はあいつにどうあがいても敵わないのか?」

私はその言葉に反応する。

「あいつって、慎の事?」

私は不思議そうに聞いた。

「違うのか?」

草野主任も不思議そうな顔をする。

「どうも…、そういうのではないと思います。とにかく、この件は保留で。仕事に関しては今まで通りでお願いします。」

私は言いたい事だけ言うと、会議室を後にした。

私は自分のデスクにどっかりと座る。

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