ダブル～私が選ぶのはどっち～

「えっ？」

「琴乃は上手に草野主任の機嫌を転がすのよね。」

私にそんなつもりは毛頭なかった。

「いつも怒るのは琴乃の方。それを探りに来た草野主任をいつも何気ない一言で安心させてしまうのよね。」

「そうなの？」

私は和華を見た。

和華は笑いをこらえている。

「計算しないでそれをしているんだったら、琴乃は魔性の女なのかもしれないわね。」

う～ん…、よく分からない。

でも確かに私と草野主任は、いつの間にかいつものペースに戻っている事が多い。

それは私の態度がそうさせるらしい。

和華は時々難しい事を言う。