ダブル~私が選ぶのはどっち~
部屋に入るなり、私はいつも慎にこう甘える。

バスケをしていた慎はすらりとしているけれど、脱ぐと意外とマッチョだ。

慎の胸に納まると、慎のにおいに包まれる。

若い男の子独特の汗臭さ。

少しずつそれも洗練されてきているようで、ちょっと寂しい気もするが。

「ずっと琴乃さんとこうしていたい。」

慎のささやきが私に響く。

やっぱり今日、慎は私を抱く気はないみたいだ。

そう思った瞬間、慎が私の胸元のボタンを外し始めた。

「慎…?」

私は慎の様子に驚いた。

「今日は無性に琴乃さんが欲しい。」

私は慎にキスをした。

「私も。」

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