ダブル~私が選ぶのはどっち~
慌てて身支度を済ませると、精算をしてホテルを出た。

そして左手の指輪に目を落とす。

さすがにこれは置いては来られなかった。

4年という年月は、男をこういう気にさせる頃合いなのだろうか。

草野主任も慎もやり方は違うけれど、私に結婚を迫って来た。

そろそろ潮時なのかもしれない。

そして厄介な事に、矢田君の存在もある。

私はトボトボと歩きながら、ある決断をしようとしていた。















< 76 / 193 >

この作品をシェア

pagetop