ダブル~私が選ぶのはどっち~
でも、和華の言葉に私は引っかかっていた。

いろいろあったってどういう事だろう。

私はその事に少し気を取られながら、毎日を過ごしていた。

「吉川、少し表情がやわらかくなったな。」

林主任にそんな風に笑われた。

「週末に前に居た支店の同期と会う事になったんです。」

「そうか。吉川は動き出したんだな。」

林主任はニコニコと笑っている。

「あっ、草野主任には内緒でお願いしますね。」

そんな和やかな日々を過ごしていると、あっという間に週末になった。

私達は大きな駅の入口で待ち合わせをした。

「琴乃、久しぶり。」

「あれ…?和華…。」

「うん、もう8ヶ月なの。もう少ししたら産休に入るのよ。早く琴乃には知らせたかったのに。」

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