ダブル~私が選ぶのはどっち~
慎はあの時の私のように、就職先が決まった。

そんな話をベッドの中で慎に聞いたような気はするが、私はそれに曖昧にうなずくだけだった。

もちろん、慎もそれ以上の話はしなかった。

それがいつもの私達だったから。

ただ慎がこう言ったのは覚えている。

「これで琴乃さんと同じ社会人だ。」
















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