ダブル~私が選ぶのはどっち~
「じゃあ、私が一番早かったんだね、良かった。そんな状態の所に琴乃がこっちに来て、三人の誰かに姿を見られたら大変だと思ったの。」

和華はホッとした様な、でも複雑な顔をした。

「和華、今更なんだけど…。」

「どうしたの?何か琴乃らしくないよ。」

私の表情を見て、和華が言った。

「私はどうしたらいいんだろう。」

私の神妙な顔つきに、和華は吹き出した。

「今の上司にね、言われたの。」

-時間も必要だろうが、自分で問題から逃げないで解決に向かっていく事も必要なんじゃないのか?-

林主任の言葉が私の中でよみがえる。

「私、ずっと逃げていたのよね。選択するってことが出来なくて…。」

私はここで両親の離婚の事も、和華に話した。

「琴乃って、全部自分で抱え込んでいたのね。私の知らない話ばっかりだわ。」

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