ダブル~私が選ぶのはどっち~
私の次に出てくる言葉を待っているようだ。

「お互いに離れた事によって、人間として成長してから会いたいって凄く思ったの。だから支店に居る時以上に仕事に集中する事が出来たの。」

和華がうんうんとうなずきながら聞いてくれている。

「私、こっちに来てから誰とも付き合ってないし、セックスもしていないのよ。」

和華がゆったりと笑う。

「琴乃らしくないね。」

そこで二人で声を出して笑った。

「琴乃、三人の中の一人が私にこう言ったの。」

和華が思い出したように、私に言った。

「自分をもっと高めないと、きっと琴乃には振り向いてもらえないだろうって。その時まで自分は頑張るんだって。」

「誰なの?」

「それは自分で確かめなさい。」

和華は意味深に笑った。













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