ダブル~私が選ぶのはどっち~
「仕事に戻ります。」

「ああ、草野は明後日にでも来ると思う。」

「はい、分かりました。」

私は少し興奮しながら、デスクに戻った。

社内メールが届いていた。

それは和華からだった。

-明後日に1泊でこちらの支社の草野主任が本社出張となりました。受け入れの方よろしくお願いします。-

本社営業に対しての一斉送信メールだった。

きっといち早くこんな形でわざわざ知らせてくれたのだと思う。

「ありがとう、和華。」

私はボソッとつぶやく。

きっと草野主任は仕事終わりにどういう方法を使ってでも、私を捕まえようとするだろう。

その事に動揺しないで、ちゃんと対応したい。

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