ダブル~私が選ぶのはどっち~
だから今は仕事に集中する。

その夜、和華から電話がかかって来た。

「まさか、こんな事になるなんてね。」

和華も心配そうに言ってくれた。

「大丈夫よ。でもちゃんと教えてくれてありがとう。」

私は笑ってから、聞いた。

「そう言えば、慎と矢田君は頑張っている?」

私はふっと笑う。

「うん、慎君はね、相変わらずこつこつ一歩ずつ進んでいる感じ。こないだやっと大きな契約を結んできたよ。琴乃の引継ぎも大変だったみたいだけど、やっと軌道に乗せたかな。」

それを聞いて私はホッとする。

「矢田君はね、結局草野主任と動く事が多いかな。草野主任は出来る部下と同行する傾向があるからね。矢田君が琴乃の後釜に納まった感じ。もういくつも契約を取っているよ。やっぱり出来る男だね。」

私はクスリと笑った。

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