心理学で、落としてみせる
「あ、藍川」

「?あ、三矢樹君、おはよう」

もう、全くドキドキしない

「えっと、その、プレゼント、ちゃんと使ってるよ」

「えっ、ほんと!?ありがとう!」

「あ、いや……」

三矢樹君は、ぷいっとそっぽを向いてしまった

「じゃ、私、行くね」

「え……あ、俺もいくよ」

「うん、じゃあ一緒に行こうか」

階段に差し掛かった時、三矢樹君が口を開く

「藍川…」

「あれ、どうした?行かないの?」

「あのさ、俺……お前のこと…」

「私?」

「………………………………好きだ」

「っ!!!!!!!!!!!!!!!!」


どれほど

どれほど待ち望んだ言葉か




でも、今私が好きなのは…


「わ、私、好きな人、いるんだ」

「……うん」


涙がボロボロこぼれてきて

「ごめんなさい……」

「ううん、こっちこそごめん。困らせたな」

頑張って涙を止めて、私は歩き出した
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