心理学で、落としてみせる
「じゃ、始めるぞー」

「お願いします!!」

「はーい」


先生は切り出した

眼鏡を外し、さっきまでとは一変

優しい雰囲気になる


「君、名前は?」

「え、あ、みのり、です」

「なんて呼ぼう、呼び捨てとか、ダメ?」

「あ、い、いいです」

「ありがと。みのりって、可愛いよね」

「へ⁉︎」

「本当。キスしたいくらいだ」

「キ…………!!??」

そう言って、先生は私を押し倒す

「ねぇ、いいでしょ?キスしても」

「ぇ……あ……」

顔が近づいてくる

ベッドがギシギシ音がした

「ほら、可愛いよ」

私の顎をクイっと持ち上げて

キスしようとする



そのとき




「これが、心理学だ」

「ふぇ」

「面白いだろう、心理学」

「え、えええええええぇ?!」



今のは、勉強だったのかよ

びっくりしたぁ



「今のは、、フット・インザ・ドアという」

「えっはい」

「小さなお願いから、だんだん大きなお願いをしていくんだ」

「ほぉ?」

「なにか1つ、要求をきいたら、2回目以降は断りにくい。だから、最初は相手がききそうなお願いから始めていくものなんだ」

「へぇー、すっご」

「そんなこと言ってる時間は、ノートをとる時間だろうが」

「あ、はいー」


私は、さらさらとノートを作っていく

先生の授業は、とてもわかりやすかった

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