相沢!ベッピン鉄拳GIRL
岩佐、災難、何だかねえ。
そんなこんなで、マサヨシはすっかり背筋も伸び、
『運動部に居るんです』
と、言っても、
『えー、ウソー、そんな風に見えなーい』
などとは言われないだろう、
っていう程度にはなってきた。
最近は俺のいじりにも余裕で、
゛迷惑そうな後輩の睨み゛を返すようになってきて、そこはちょっとつまんない。
そんな俺らに、今日は京子さん、
『あー、美加と食べ女子会。先、帰ってて』
てな事でマサヨシと二人で帰ってる。
「マサヨシ、俺らも買い食いして帰えんねえ?」
「勿論、先輩のおごりですよね?」
あー、コイツおうちカネ持ちのクセに。
「関係ありませんよ、そんなの」
byマサヨシ。
学校近くにある、屋台みたいな小さな窓口の店。
かわいいお姉さんが焼いてるたい焼きを買う。
自販機でブラックコーヒー。
「ここは濃い茶じゃないですか?」
いい質問だ、マサ。
「イヤ、このたい焼きの餡に対抗するには、
濃い茶でも苦味が足りてないと思うんだ。
持ちかえりにする場合は、茎茶を煮出しで
自分で淹れるんだけど」
「なるほど!奥が深いですね‼」
納得した様にウンウンとうなずくマサ。
「ケッ、
バカがつまんねえ事でウンチク垂れてんだ。
たい焼きくらい、一緒に何飲んでも同じだろ?」
毒のある声に振り返ると、
……出た!岩佐 啓一郎……。
マサの義理の(?)兄がそこにいた。
「あれ?啓一郎さん?どうしてここに?」
目を丸くしてマサが聞く。
「お前だ、お・ま・え‼」
イライラしたようにつぶやく啓一郎。
「最近、帰りが遅くなるせいで散歩に連れてけないヤツが出てきてるだろう?うるせーんだよコイツらが‼」
マサに当り散らしてる。
見れば犬を連れている。
手は噛み傷だらけ。
全然なついてないのがありありとわかる。
犬はマサに思いきりじゃれついていた。
「ふん。将来大企業の社長になろうって大物は、雑用はしないもんなんだよ!」
吠える啓一郎。
「犬にすら嫌われてて、その大言はたしかに大物かもな~」
笑いながらからかう様に言ったのに、
「そうとも、岩佐総合建設は、当分安泰だ
俺が仕切るんだからな」
啓一郎は偉そうに胸を張った。
「なにい?岩佐?岩佐っつたか、今」
カン高い声に振り返ると、数人の男がこちらを見ている。
酔っぱらって完全に出来上がってる感じだ。
「お前、岩佐の社長の息子か?」
ニッカボッカにハチマキ。典型的な土方スタイル。
「ケッ、親父に似てふてえ面してやがる」
ちょっと歳くってる一人が吐き棄てる。
「さっきあの話したろ?あれの息子だとよ」
「汚ねえ金で飯食って育ってるわけだ」
「いいこたねぜ、全くよう」
ガヤガヤと話しはじめた。
「アンタら何モンだ?」
いぶかしがる啓一郎。
「俺らんとこはなあ、お前んとこに既に着工した仕事を取られたんだよ‼
変な根回ししやがって、ゴリ押しで押し退けて横取りしやがって!
やり方汚いんだよ!」
にたりと、嫌みな笑みを浮かべる啓一郎。
「あー、はいはい。弱小企業の皆さんね。
そんなの取られたら取り返しゃア済む事だよなあ?それが出来ないんだからダメなんじゃないのお?」
急にヘラヘラ口調になる。
「テメえ、殺られてえのか?」
酔っぱらいどもが一気に殺気と熱気を帯びる。
「はン!施工技術とアフターサービスの充実の差だろ?そんなの。逆恨みだねー、ただの」
更にヘラヘラして見せる啓一郎。
俺、今、思ったんだけどね。
「ねえ、岩佐君。なんかどっかで聞いた事のある展開じゃね?因果応報ってヤツかな?」
てえ事はこの先のストーリーは……。
「……ウルセ。矢広は黙ってろよ」
ムッとする啓一郎。
「酔っぱらいが束んなったって、ムサいだけだろ
まとめて片付けてやる。かかってこい!」
あちゃー。
「おい!そっちの兄ちゃんも仲間か?」
金髪のハチマキが俺に叫ぶ。
あわてて手を振る俺。
「いーえっ!俺は違います!どうぞご勝手に!」
マサが猛ダッシュかましながら、
「僕も戦う‼」
けど、敵の若いめの兄ちゃんに一発で沈められた。
「ちょうど良かった。矢広、……それだけ、
どけといてくれ。邪魔にならずにすむ……」
お安いご用。ズルズル。
落ちてた壊れ傘を拾う岩佐。
「うるああああーーー‼」
犬はマサのそばで、俺と一緒に
ちょこんとお座り。
『運動部に居るんです』
と、言っても、
『えー、ウソー、そんな風に見えなーい』
などとは言われないだろう、
っていう程度にはなってきた。
最近は俺のいじりにも余裕で、
゛迷惑そうな後輩の睨み゛を返すようになってきて、そこはちょっとつまんない。
そんな俺らに、今日は京子さん、
『あー、美加と食べ女子会。先、帰ってて』
てな事でマサヨシと二人で帰ってる。
「マサヨシ、俺らも買い食いして帰えんねえ?」
「勿論、先輩のおごりですよね?」
あー、コイツおうちカネ持ちのクセに。
「関係ありませんよ、そんなの」
byマサヨシ。
学校近くにある、屋台みたいな小さな窓口の店。
かわいいお姉さんが焼いてるたい焼きを買う。
自販機でブラックコーヒー。
「ここは濃い茶じゃないですか?」
いい質問だ、マサ。
「イヤ、このたい焼きの餡に対抗するには、
濃い茶でも苦味が足りてないと思うんだ。
持ちかえりにする場合は、茎茶を煮出しで
自分で淹れるんだけど」
「なるほど!奥が深いですね‼」
納得した様にウンウンとうなずくマサ。
「ケッ、
バカがつまんねえ事でウンチク垂れてんだ。
たい焼きくらい、一緒に何飲んでも同じだろ?」
毒のある声に振り返ると、
……出た!岩佐 啓一郎……。
マサの義理の(?)兄がそこにいた。
「あれ?啓一郎さん?どうしてここに?」
目を丸くしてマサが聞く。
「お前だ、お・ま・え‼」
イライラしたようにつぶやく啓一郎。
「最近、帰りが遅くなるせいで散歩に連れてけないヤツが出てきてるだろう?うるせーんだよコイツらが‼」
マサに当り散らしてる。
見れば犬を連れている。
手は噛み傷だらけ。
全然なついてないのがありありとわかる。
犬はマサに思いきりじゃれついていた。
「ふん。将来大企業の社長になろうって大物は、雑用はしないもんなんだよ!」
吠える啓一郎。
「犬にすら嫌われてて、その大言はたしかに大物かもな~」
笑いながらからかう様に言ったのに、
「そうとも、岩佐総合建設は、当分安泰だ
俺が仕切るんだからな」
啓一郎は偉そうに胸を張った。
「なにい?岩佐?岩佐っつたか、今」
カン高い声に振り返ると、数人の男がこちらを見ている。
酔っぱらって完全に出来上がってる感じだ。
「お前、岩佐の社長の息子か?」
ニッカボッカにハチマキ。典型的な土方スタイル。
「ケッ、親父に似てふてえ面してやがる」
ちょっと歳くってる一人が吐き棄てる。
「さっきあの話したろ?あれの息子だとよ」
「汚ねえ金で飯食って育ってるわけだ」
「いいこたねぜ、全くよう」
ガヤガヤと話しはじめた。
「アンタら何モンだ?」
いぶかしがる啓一郎。
「俺らんとこはなあ、お前んとこに既に着工した仕事を取られたんだよ‼
変な根回ししやがって、ゴリ押しで押し退けて横取りしやがって!
やり方汚いんだよ!」
にたりと、嫌みな笑みを浮かべる啓一郎。
「あー、はいはい。弱小企業の皆さんね。
そんなの取られたら取り返しゃア済む事だよなあ?それが出来ないんだからダメなんじゃないのお?」
急にヘラヘラ口調になる。
「テメえ、殺られてえのか?」
酔っぱらいどもが一気に殺気と熱気を帯びる。
「はン!施工技術とアフターサービスの充実の差だろ?そんなの。逆恨みだねー、ただの」
更にヘラヘラして見せる啓一郎。
俺、今、思ったんだけどね。
「ねえ、岩佐君。なんかどっかで聞いた事のある展開じゃね?因果応報ってヤツかな?」
てえ事はこの先のストーリーは……。
「……ウルセ。矢広は黙ってろよ」
ムッとする啓一郎。
「酔っぱらいが束んなったって、ムサいだけだろ
まとめて片付けてやる。かかってこい!」
あちゃー。
「おい!そっちの兄ちゃんも仲間か?」
金髪のハチマキが俺に叫ぶ。
あわてて手を振る俺。
「いーえっ!俺は違います!どうぞご勝手に!」
マサが猛ダッシュかましながら、
「僕も戦う‼」
けど、敵の若いめの兄ちゃんに一発で沈められた。
「ちょうど良かった。矢広、……それだけ、
どけといてくれ。邪魔にならずにすむ……」
お安いご用。ズルズル。
落ちてた壊れ傘を拾う岩佐。
「うるああああーーー‼」
犬はマサのそばで、俺と一緒に
ちょこんとお座り。