相沢!ベッピン鉄拳GIRL
転がったまま、ふっ、と笑って、
「まだまだあ‼」
と言いながら起き上がる。
今度は間合いを取りつつ、軽く飛んで身体をほぐしている。
そのジャンプが、徐々にステップになり、
肩を低くしてファイテイングポーズ。
立て続けにジャブを繰り出す。
京子さんも、すぐさまボクシングの構え。
素早く避けまくる京子さん。
避けた方向から、鋭いボディブロー、
とっさに後ろに跳び、入りを浅くする。
「「ワアッ‼」」
喚声。だいぶ人が集まっている。
種目がいきなり変わった事にあきれつつ、
岩佐に旗を振る、審判役。
うおっ‼
調子にのって次々にパンチを繰り出す岩佐。
それらを避けまくり、
京子さんのアッパー‼惜しいッ!
頬をかすっただけだ!また距離を取る。
「混合技格闘戦だな。
かえって得意なんじゃないのか?」
「なつかしいねえ。最近無かったもんな」
部活で残っていた先生や先輩が遠い目で語りあっている。
岩佐の蹴りが京子さんの脇に入る!
「「ワアッ‼‼」」
すげえ喚声。京子さんそのまま、素早く
岩佐の足を抱え込み、引き倒す。
二、三歩引きずった。京子さんに旗が振られる。
「くそっ‼」
起き上がる岩佐に向かって蹴り。
岩佐、腕でガード。
京子さんの間合いにドッと入り込み、
その衿をつかんで……投げた‼l
はずが、京子さん岩佐に組み付いた。
岩佐はバランスを崩し、同時に倒れる。
そのまま岩佐を押さえ込む。
「ねえ、これ審判いるの?」
いつの間にか川島先輩が横でみてる。
大体、いつまでやるんすか?
「切りの良いところで引き分けにしとくかね。
久びさに盛り上がったねえ」
先生の目がやーさしく線になってる。
そして先生、軽く手を振った。
審判役がちらと見て、うなずく。
「勝負ここまで。両者引き分け‼」
「ンだとお!?良く見ろよコラ!」
喰ってかかる岩佐。どう見ても相沢優勢。
「納得できねえ!日を改めてもう一度……」
「ほんとに往生際が悪いな……ほら、礼だ、礼」
京子さんが岩佐をつつく。
仕方なく向かい合い、礼。試合終了。
ホッとした雰囲気にゆるむ体育館。
あきらめて帰ると見せかけ、岩佐は京子さんに
向かってダッシュし、……抱きついた……‼
「ウヒャヒャヒャヒャヒャ‼ケケ!」
このクソ野郎ベッタリくっついて、
手つきもなんかヤらしい。
京子さんが振り返りパンチを繰り出すのと、
俺が飛び出してスライディングかますのと、
ほぼ同時。
倒れた岩佐。
岩佐の上に倒れた俺に、
さらに走って来たマサヨシがかぶさり、
「ぐあッツ‼退け‼お前ら‼」
叫ぶ岩佐に、体育館は爆笑の渦。
タオルやら、バスケットボールやら、
シューズやらが、寄席のように飛びかった。
「はい!帰るなら帰って、部活に戻る子は
戻ることー!」
先生、収束に必死だ。
「ありがとう、先生。ありがとう、みんな!」
手を振る京子さん。
男子三人はダンゴになったまま、
体育館の女神を見上げたのだった。
「まだまだあ‼」
と言いながら起き上がる。
今度は間合いを取りつつ、軽く飛んで身体をほぐしている。
そのジャンプが、徐々にステップになり、
肩を低くしてファイテイングポーズ。
立て続けにジャブを繰り出す。
京子さんも、すぐさまボクシングの構え。
素早く避けまくる京子さん。
避けた方向から、鋭いボディブロー、
とっさに後ろに跳び、入りを浅くする。
「「ワアッ‼」」
喚声。だいぶ人が集まっている。
種目がいきなり変わった事にあきれつつ、
岩佐に旗を振る、審判役。
うおっ‼
調子にのって次々にパンチを繰り出す岩佐。
それらを避けまくり、
京子さんのアッパー‼惜しいッ!
頬をかすっただけだ!また距離を取る。
「混合技格闘戦だな。
かえって得意なんじゃないのか?」
「なつかしいねえ。最近無かったもんな」
部活で残っていた先生や先輩が遠い目で語りあっている。
岩佐の蹴りが京子さんの脇に入る!
「「ワアッ‼‼」」
すげえ喚声。京子さんそのまま、素早く
岩佐の足を抱え込み、引き倒す。
二、三歩引きずった。京子さんに旗が振られる。
「くそっ‼」
起き上がる岩佐に向かって蹴り。
岩佐、腕でガード。
京子さんの間合いにドッと入り込み、
その衿をつかんで……投げた‼l
はずが、京子さん岩佐に組み付いた。
岩佐はバランスを崩し、同時に倒れる。
そのまま岩佐を押さえ込む。
「ねえ、これ審判いるの?」
いつの間にか川島先輩が横でみてる。
大体、いつまでやるんすか?
「切りの良いところで引き分けにしとくかね。
久びさに盛り上がったねえ」
先生の目がやーさしく線になってる。
そして先生、軽く手を振った。
審判役がちらと見て、うなずく。
「勝負ここまで。両者引き分け‼」
「ンだとお!?良く見ろよコラ!」
喰ってかかる岩佐。どう見ても相沢優勢。
「納得できねえ!日を改めてもう一度……」
「ほんとに往生際が悪いな……ほら、礼だ、礼」
京子さんが岩佐をつつく。
仕方なく向かい合い、礼。試合終了。
ホッとした雰囲気にゆるむ体育館。
あきらめて帰ると見せかけ、岩佐は京子さんに
向かってダッシュし、……抱きついた……‼
「ウヒャヒャヒャヒャヒャ‼ケケ!」
このクソ野郎ベッタリくっついて、
手つきもなんかヤらしい。
京子さんが振り返りパンチを繰り出すのと、
俺が飛び出してスライディングかますのと、
ほぼ同時。
倒れた岩佐。
岩佐の上に倒れた俺に、
さらに走って来たマサヨシがかぶさり、
「ぐあッツ‼退け‼お前ら‼」
叫ぶ岩佐に、体育館は爆笑の渦。
タオルやら、バスケットボールやら、
シューズやらが、寄席のように飛びかった。
「はい!帰るなら帰って、部活に戻る子は
戻ることー!」
先生、収束に必死だ。
「ありがとう、先生。ありがとう、みんな!」
手を振る京子さん。
男子三人はダンゴになったまま、
体育館の女神を見上げたのだった。