相沢!ベッピン鉄拳GIRL
矢広流喧嘩必勝講座、開講。
ここで、いくつかの重要なポイントを
押さえておかなければいけません。
まずは、その戦いが、何のためのものか、
と、いうことです。
自分の為のものか、
自分以外の誰かの為のものか、
あるいは両方か。これは案外、重要です。
実際に殴り合いになり、頭に血がのぼる前に
考えておかなければなりません。
次に、敵対する相手には、自分が勝てるか
大体、計っておかなければなりません。
さきの理由によっては、
勝つ見込みが薄くても戦わなければ
ならないこともあります。が、しかし、
退くべき時は、退く。
これも、大切です。
アホな戦いでアホな怪我をする。
これを人生の損と言わずして、
何と言うでしょうか。
そして、その事にも関係しますが、
ひとつの戦いにおいて、得るもの、
それから、失なうものも念頭においておく
必要があります。
勝ちを取っても、無くすものがあり、
負けて、退いても得るものがあることが
あります。
事物、事象はあざなえる縄のごとし。
勝敗を越えた美学を追及する事によって、
己をたかめるのです。
それでは、気を引き締めて参りましょう‼
―実戦編―
まず、助太刀、もしくは救出の場合、迅速に
敵営に近付くことが重要です。
不意討ちと言えば、聞こえは悪いですが、
名乗りをあげるのは礼あるべき、
正当な戦いの場合のみ。
敵が完全なる悪の場合は、この限りでは
ありません。
かけ降りた草地と道の境に、二段ほどの
ブロック屏がある。それをジャンプ台に
弾みをつけて、体に回転をかけつつ飛ぶ。
このとき、同時に二名片付けられるよう、
間に割って入る形が望ましい。
俺の場合は右側に回転をかけ、
左足でまず一人、
そのまま、勢いを弱めず、左側まで回し蹴り。
勢いが足りないときは、着地してから
手と右膝を付き、もう一名の脚を払ってもよい。
が、すぐに立ちあがり体勢を立てなおすこと。
「……ンだ、テメエは!」
やっと気が付いて振り返る、残り一名くんは、
顔面ストレートパンチで沈んでもらう。
とりあえず、戦意をなくしてもらうのが先決。
最初に蹴り倒した、間抜けなボクちゃんが
ふらつきながら起きてきたので、
胸ぐらつかんで前後に揺する。
「俺っちトコの後輩に何してるの?キミら」
ここで初めて状況を理解してもらう。
二番目に倒したヤツが殴りかかってきたので、
つかんで揺すってたヤツを振り向ける。
頭がアゴに当たり、鈍い音がして、二人とも
倒れた。
動けないようにケツ踏んで、
「お前らコイツから金取ってただろ、出せ」
「な、何の……こ」
とぼける?いい度胸やん。
「出す気がないなら、探す。寝てろ」
まず、コットンパーカーをひっぺがして、
バサバサ振る。家の?カギやら、ハンカチ。
ウェストポーチ外して、中身をぶちまける。
「や、……や……やめ」
「コイツがやめてくれ、っつたら、
お前らやめたか?おとなしく寝とけ」
顔面パンチで倒したヤツが鼻血流しながら
正座して、
「す、すいませんでしたっ。相手が悪かっ
たです。カンベンしてください!」
深々と頭を下げた。
それから、しわくちゃになった札を前に置き、
「矢広……竜太さんですよね?お返しします」
それを聞いて、転がってる二人はげんなりした
雰囲気になる。
「早く言ってくれよ……」
「ブラックリスト筆頭の超危険人物じゃん……」
俺はカツアゲ金を回収して、
「行って良し。帰って働いた方が早くね?」
「……余計なお世話だよ……」
「バッ……バカ!行こうぜ……」
あたふたとその場を離れるカツアゲS。
振り返って草地を歩いて来る京子さんに、
勝利のVサインを贈る。
やっぱり、ひと仕事終えた後は気持ちが良い。
見よ、彼女も惚れなおした表情だ。
優しいほほ笑みを浮かべながら、
「竜太、あい変わらずやり方えげつないな」
と、一言。
え?
そのほほ笑み、あきれ顔?
えー……。得るものが少ない方を、実践して
しまいました。
押さえておかなければいけません。
まずは、その戦いが、何のためのものか、
と、いうことです。
自分の為のものか、
自分以外の誰かの為のものか、
あるいは両方か。これは案外、重要です。
実際に殴り合いになり、頭に血がのぼる前に
考えておかなければなりません。
次に、敵対する相手には、自分が勝てるか
大体、計っておかなければなりません。
さきの理由によっては、
勝つ見込みが薄くても戦わなければ
ならないこともあります。が、しかし、
退くべき時は、退く。
これも、大切です。
アホな戦いでアホな怪我をする。
これを人生の損と言わずして、
何と言うでしょうか。
そして、その事にも関係しますが、
ひとつの戦いにおいて、得るもの、
それから、失なうものも念頭においておく
必要があります。
勝ちを取っても、無くすものがあり、
負けて、退いても得るものがあることが
あります。
事物、事象はあざなえる縄のごとし。
勝敗を越えた美学を追及する事によって、
己をたかめるのです。
それでは、気を引き締めて参りましょう‼
―実戦編―
まず、助太刀、もしくは救出の場合、迅速に
敵営に近付くことが重要です。
不意討ちと言えば、聞こえは悪いですが、
名乗りをあげるのは礼あるべき、
正当な戦いの場合のみ。
敵が完全なる悪の場合は、この限りでは
ありません。
かけ降りた草地と道の境に、二段ほどの
ブロック屏がある。それをジャンプ台に
弾みをつけて、体に回転をかけつつ飛ぶ。
このとき、同時に二名片付けられるよう、
間に割って入る形が望ましい。
俺の場合は右側に回転をかけ、
左足でまず一人、
そのまま、勢いを弱めず、左側まで回し蹴り。
勢いが足りないときは、着地してから
手と右膝を付き、もう一名の脚を払ってもよい。
が、すぐに立ちあがり体勢を立てなおすこと。
「……ンだ、テメエは!」
やっと気が付いて振り返る、残り一名くんは、
顔面ストレートパンチで沈んでもらう。
とりあえず、戦意をなくしてもらうのが先決。
最初に蹴り倒した、間抜けなボクちゃんが
ふらつきながら起きてきたので、
胸ぐらつかんで前後に揺する。
「俺っちトコの後輩に何してるの?キミら」
ここで初めて状況を理解してもらう。
二番目に倒したヤツが殴りかかってきたので、
つかんで揺すってたヤツを振り向ける。
頭がアゴに当たり、鈍い音がして、二人とも
倒れた。
動けないようにケツ踏んで、
「お前らコイツから金取ってただろ、出せ」
「な、何の……こ」
とぼける?いい度胸やん。
「出す気がないなら、探す。寝てろ」
まず、コットンパーカーをひっぺがして、
バサバサ振る。家の?カギやら、ハンカチ。
ウェストポーチ外して、中身をぶちまける。
「や、……や……やめ」
「コイツがやめてくれ、っつたら、
お前らやめたか?おとなしく寝とけ」
顔面パンチで倒したヤツが鼻血流しながら
正座して、
「す、すいませんでしたっ。相手が悪かっ
たです。カンベンしてください!」
深々と頭を下げた。
それから、しわくちゃになった札を前に置き、
「矢広……竜太さんですよね?お返しします」
それを聞いて、転がってる二人はげんなりした
雰囲気になる。
「早く言ってくれよ……」
「ブラックリスト筆頭の超危険人物じゃん……」
俺はカツアゲ金を回収して、
「行って良し。帰って働いた方が早くね?」
「……余計なお世話だよ……」
「バッ……バカ!行こうぜ……」
あたふたとその場を離れるカツアゲS。
振り返って草地を歩いて来る京子さんに、
勝利のVサインを贈る。
やっぱり、ひと仕事終えた後は気持ちが良い。
見よ、彼女も惚れなおした表情だ。
優しいほほ笑みを浮かべながら、
「竜太、あい変わらずやり方えげつないな」
と、一言。
え?
そのほほ笑み、あきれ顔?
えー……。得るものが少ない方を、実践して
しまいました。