休みの日〜その夢と、さよならの向こう側には〜
36.彼女のステージ
体育館の前面には大きなステージが設置されていて、様々な照明器具が取り付けられている。二日目に有名なアーティストの方を呼んでライブをするらしく、そのために業者の方が設置したそうだ。そんなステージの中心に、梓はギターを持って立っている。その姿はさながら、本物のプロのようだった。
梓の後方にいるドラムの担当が、スティックを打ち鳴らす。それを合図に梓はギターの弦をかき鳴らし、体育館にメロディが響き渡り始めた。最近はやりのドラマの主題歌。あまりに有名なその曲は、前奏からすでに観客の心を鷲掴みにして、会場が歓喜の声に包まれた。
その中で一番目立っている梓が、マイクを通して歌を歌い始める。緊張なんて感じさせない、堂々とした歌いっぷりで観客を沸かせ続けた。
梓は、誰よりもかっこいい。きっとここにいる多くの人が、多岐川梓という女の子のファンになっただろう。僕も初めて梓の弾き語りを聴いた時から、彼女ファンになっていた。
素人目に見て一つもミスをせずに、梓の短いステージは終わった。いそいそと片付けを始めたかと思えば、今度は別の軽音部員たちが現れて演奏の準備を始める。その演奏を聴くのもいいと思ったが、梓と待ち合わせをしているため、あまりゆっくりはしていられない。
僕は再び鳴り始めた音楽を聴きながら、体育館の外へと出た。
梓の後方にいるドラムの担当が、スティックを打ち鳴らす。それを合図に梓はギターの弦をかき鳴らし、体育館にメロディが響き渡り始めた。最近はやりのドラマの主題歌。あまりに有名なその曲は、前奏からすでに観客の心を鷲掴みにして、会場が歓喜の声に包まれた。
その中で一番目立っている梓が、マイクを通して歌を歌い始める。緊張なんて感じさせない、堂々とした歌いっぷりで観客を沸かせ続けた。
梓は、誰よりもかっこいい。きっとここにいる多くの人が、多岐川梓という女の子のファンになっただろう。僕も初めて梓の弾き語りを聴いた時から、彼女ファンになっていた。
素人目に見て一つもミスをせずに、梓の短いステージは終わった。いそいそと片付けを始めたかと思えば、今度は別の軽音部員たちが現れて演奏の準備を始める。その演奏を聴くのもいいと思ったが、梓と待ち合わせをしているため、あまりゆっくりはしていられない。
僕は再び鳴り始めた音楽を聴きながら、体育館の外へと出た。