治癒魔法師の花嫁~愛しい君に誓いのキスを~
「いくらお前がお転婆で、剣や武道の腕が国一番、二番を争うほど上手くて胸が無くても、その見た目じゃ、なぁ。
今まで女だってバレなかったのが奇跡だし、これから何時バレるとも限らねぇ」
「む……胸がない……」
女、とバレたら、家が断絶してしまうかも知れない。
切羽詰まった状況ではあるものの、キレイだと持ちあげられ、女性らしくない体型を指摘されて落とされ。
複雑な気分で思わず呟いたリーゼの言葉を片目を瞑ってあえて無視すると、ラルフは言葉をつづけた。
「どんな形であれ、お前が女だとバレたら、リーゼの家は、無くなってしまうだろう?
でも『シュヴァルツシルト家』の俺が『ヴァイスリッター家』の当主であるお前を嫁に貰う形でバレるのなら、俺が守ってやれる」
「……ラルフ……」
「一度は家が途切れ、王国に取り上げられるか、ウチに吸収されるかもしれないが、俺たちの間に息子が二人できたら、どちらかにリーゼの家を継がせればいい。
両家が縁続きになれば、とりあえず。
グランツ王国内の争いもひと段落つくし。
……なにより、お前の面倒くさい男装を辞めさせることができるだろう?」
そんなラルフの申し出は、リーゼの心臓をびくんとはね上げた。
「面倒くさいって……ラルフは……わたしの男装……嫌い?」
恐る恐るささやくリーゼに、ラルフは肩をすくめて見せた。
「それを、俺に聞くのか?
ガキの時からお前の事を見ているんだ。
全部知ってる上で惚れた、とさっきも言ったろ?」
今まで女だってバレなかったのが奇跡だし、これから何時バレるとも限らねぇ」
「む……胸がない……」
女、とバレたら、家が断絶してしまうかも知れない。
切羽詰まった状況ではあるものの、キレイだと持ちあげられ、女性らしくない体型を指摘されて落とされ。
複雑な気分で思わず呟いたリーゼの言葉を片目を瞑ってあえて無視すると、ラルフは言葉をつづけた。
「どんな形であれ、お前が女だとバレたら、リーゼの家は、無くなってしまうだろう?
でも『シュヴァルツシルト家』の俺が『ヴァイスリッター家』の当主であるお前を嫁に貰う形でバレるのなら、俺が守ってやれる」
「……ラルフ……」
「一度は家が途切れ、王国に取り上げられるか、ウチに吸収されるかもしれないが、俺たちの間に息子が二人できたら、どちらかにリーゼの家を継がせればいい。
両家が縁続きになれば、とりあえず。
グランツ王国内の争いもひと段落つくし。
……なにより、お前の面倒くさい男装を辞めさせることができるだろう?」
そんなラルフの申し出は、リーゼの心臓をびくんとはね上げた。
「面倒くさいって……ラルフは……わたしの男装……嫌い?」
恐る恐るささやくリーゼに、ラルフは肩をすくめて見せた。
「それを、俺に聞くのか?
ガキの時からお前の事を見ているんだ。
全部知ってる上で惚れた、とさっきも言ったろ?」