しょーとしょーと

視界いっぱいに映る顔が大きすぎて気づかなかったが、

彼が動くときによく見たら、藤川の顔をしている。


どうして藤川くんが巨人に?


あ、いや、ちょっと待って。


藤川くん、さっきなんて言ってた?


カエル?


もしかして、藤川くんや世界が巨大になったのではなくて、私が小さくなった?


カエルになっちゃった?


そんなバカな……と目の前が真っ暗になり、コテンと藤川くんの手のひらの上でひっくり返った。


「おい、大丈夫か?」


藤川が体をつつくので、希実はなんとか起き上がった。


カエル、カエル、カエル。

< 11 / 99 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop