しょーとしょーと
視界いっぱいに映る顔が大きすぎて気づかなかったが、
彼が動くときによく見たら、藤川の顔をしている。
どうして藤川くんが巨人に?
あ、いや、ちょっと待って。
藤川くん、さっきなんて言ってた?
カエル?
もしかして、藤川くんや世界が巨大になったのではなくて、私が小さくなった?
カエルになっちゃった?
そんなバカな……と目の前が真っ暗になり、コテンと藤川くんの手のひらの上でひっくり返った。
「おい、大丈夫か?」
藤川が体をつつくので、希実はなんとか起き上がった。
カエル、カエル、カエル。