しょーとしょーと
ソーダ(サスペンス)
「ねえ、知ってる?」
麻里(まり)は隣を歩く信司(しんじ)に、とあるペットボトルを見せた。
麻里と信司は付き合って2年目。
先日、信司の何度目かの浮気が発覚し、今日は仲直りのデートをしていた。
そのため、麻里はお気に入りのワンピースにパンプス、真っ赤なルージュと気合いを入れた格好だ。
対する信司は麻里にプレゼントされたリネンシャツにジーパンというラフな姿だった。
信司は麻里の持つペットボトルをじっと見る。
どこにでも売っている、とある有名な炭酸飲料だ。
それがどうしたのか、全くわからず眉を寄せた。
「なんだよ」
「このソーダを飲んだ人は呪われて、死ぬらしいわよ」