しょーとしょーと
「はあ? なんだよ、そのバカバカしい話は」
「バカバカしい?」
「そうだろ。そんなどこにでも売っているソーダを飲んで死ぬなら、今頃、周りは死人だらけのはずだ。
でも、身近に誰か死んだなんて話は聞かないだろ」
「そうよね。じゃ、飲んでみせてよ」
「な、何言ってるんだ……」
「怖い?」
そう言って笑った麻里の唇の真っ赤なルージュを見て、
信司はどうしてだか背筋がゾクッとした。
だけど、それを隠すように信司も笑って取り繕う。
「怖いわけ、ないだろ」