しょーとしょーと
ふり向くと、ビニールバックを持った黄色のワンピース姿の有紗が笑って立っていた。
さっきまでどこにも姿がなかったのに、いつの間に来たのだろう。
莉乃の立つ位置からは360度見わたせて、ぜんぶ確認したはずだった。
わりと大きな公園なので、公園の入り口からここまでも少し時間がかかる。
ダッシュでもしない限り、さっきまでいなかった人がここにいるわけないのだけど、
走る音なんてしなかった。
莉乃を驚かそうと、どこかに隠れていたんだろうか。
不思議に思いながらも、莉乃は有紗に笑いかけた。