しょーとしょーと
「うん。莉乃ちゃんは良かったらかき氷を食べて帰って。バイバイ」
「えー」
一人で食べてもつまらない。
だけど、仕方ない。
「それじゃ、また月曜日にね」
と言いながら、莉乃は手を振った。
有紗は笑って振り返すと、返事はせずに走って行った。
その背を見送っていると、有紗の姿がぼやけた気がした。
「えっ!」
慌てて目をこする。
何か入って視界がおかしくなったんだろうか。
再び目を開けたときには、有紗の姿はなかった。