しょーとしょーと

「いやいやいや、たまたま木の影にいて見えなかったとか、それだけでしょ。何考えてんの」


きっと待ち合わせのときと同じで、莉乃をびっくりさせるためにどこかに隠れたんだ。


そうに決まってる。


しゃくしゃくしゃく、とかき氷を食べる。


いつも通りおいしい。何もおかしいところはない。




「ただいまー」


「莉乃、あんたどこにいたの!」


家に帰るなり、母がすっ飛んできた。


「どこってプールだよ。家出るときに言ったじゃん」


「プールって、一人で泳いできたの?」

< 33 / 99 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop