しょーとしょーと
「いやいやいや、たまたま木の影にいて見えなかったとか、それだけでしょ。何考えてんの」
きっと待ち合わせのときと同じで、莉乃をびっくりさせるためにどこかに隠れたんだ。
そうに決まってる。
しゃくしゃくしゃく、とかき氷を食べる。
いつも通りおいしい。何もおかしいところはない。
「ただいまー」
「莉乃、あんたどこにいたの!」
家に帰るなり、母がすっ飛んできた。
「どこってプールだよ。家出るときに言ったじゃん」
「プールって、一人で泳いできたの?」