しょーとしょーと
でも、石橋にとってはただの客でしかない幸。
デートに誘ったり告白する勇気はなく、見ているだけだった。
だいたい、告白も何も、お店で見る彼しか知らなくて、本当は彼がどんな人かも知らない。
そんな状態で好きと言えるのかは幸自身、疑問だった。
彼のことをもっと知らなくては、恋となりうるのか判断ができない。
ああ、もう。こんなこと考えても仕方ない。
本に目を落とすと、続きを読み出した。
本を読み終わり、閉じた。
時間を確認する。
やばっ。