しょーとしょーと
家の中だからとノースリーブのワンピースを着ているのだけど、薄着すぎただろうか。
思わず、両腕を反対の手でさする。
「祐基はいつもそう言うわね。どうして?」
「庭には木があるだろ。圭吾をなくしたショックで、木に首をくくるんじゃないかっていつも心配なんだ」
「やだ、そんなこと心配してたの!」
彩音は思わず笑ってしまう。
「彩音はいつも今にも消えそうな顔をしていたからね」
「圭吾がいなくなってすぐのときなら、そんなバカなことを考えたかもしれないけど、今は違うわ。祐基、あなたのおかげよ」
彩音は祐基の頬に手を添えると、そっと口づけた。
「わたしはどこにもいかないわ」