しょーとしょーと
「井上さん、ハンカチ落としたよ」
「え!?」
曽田くんの持つ赤いギンガムチェックのハンカチは、確かに永実のものと一緒だ。
ハンカチを入れていたはずのポケットを確認しても、
さっき入れた変なチケットが出てくるだけで、ハンカチはなかった。
学校を出てから、チケット入れるときしかポケットを触っていない。
さすがに手を出すときに一緒にハンカチがついてきたら気づきそうなのに、
いつの間に落としたんだろう。
不思議に思いながらも、「ありがとう」とお礼を言って受け取ると、
曽田くんは「それじゃ」と道を先に行った。
曽田くんに話しかけられちゃった。
さっきのチケットをもう一度見る。
「妄想……現実化」