しょーとしょーと
現実的に考えて、そんなことが起こるわけない。
ドラマの世界ではないのだから。
ここで曽田くんと別れて違う車両に乗るべきなのか、
クラスメイトなのにそういう対応したらおかしいのか、
またもや悩んでしまっているうちに、電車が到着した。
自然な流れで曽田くんと一緒に乗り込み、そのまま降りる駅に着くまで二人で話し込んだ。
「本当に、長く話せちゃった」
自宅の最寄り駅に着き、家まで歩く道で、永実はチケットを眺めながらつぶやいた。
電車に乗っていた15分間、曽田くんを好きになってから今までで一番長く会話をした。
チケットの効果は不気味だけど、本当に長く話せたら、
今まで知らなかった曽田くんの一面を知れたりで、嬉しいが勝ってしまった。