しょーとしょーと
永実はもう一度妄想した。
もしも警官がやってきて、助けてくれたら……。
しかし、やはり何も起こらない。
どうして、どうして!?
永実は焦っていた。
お金は盗られるかもしれないけど、わたしと店員さんは無事に助かる。
それでも、なんとか妄想を現実にしようと想像した。
店員は金庫を開けた。
男は「へへ、ありがとよ」と笑ったような声を出すと、永実を突き放した。
床に体を打ち付けながら、助かったのだろうか……と永実は思った。
そのとき、「うわっ」と店員が声を上げ、永実は顔を上げた。
男と店員がもみ合い、男は店員のお腹にナイフをつき刺した。