しょーとしょーと
柴犬のお尻愛好会(恋)
とある日の放課後。
中村大吾(なかむら だいご)は窓側の席に座ったまま、
ぼーっと空を眺めていた。
空は雲一つない快晴で、夕方になっても青空を見せていた。
7月の日差しが照り付けて、暑い。
大吾は暇を持て余していた。
いつもなら今頃、グラウンドで汗だくになってユニフォームを汚しているところだが、
大吾は先月に肘を壊して、野球部を退部した。
リトルリーグの頃からピッチャーだったのに、ボールを投げられなくなったんだ。
それから、やりたいことも見つからず、
野球がなくなったらどんな風に時間を過ごせばいいのかもわからなくなってしまった。
「あの、中村くん」
「ん?」
女子に呼ばれて振り返ると、クラス委員をしている副島(そえじま)が横に立っていた。