しょーとしょーと
「エルク! 危ないわよ」
「平気、平気。オレ、運動神経いいから」
「でも、もしものことがあったら……」
「大丈夫だって」
エルクは笑って、美央の頬に口づけた。
「エルク!」
美央は恥ずかしくなって、頬を押さえる。
「もう」と呆れが混じったような声で言いながら、エルクを見る。
相変わらず彼は美しい。
男性に美しいというのは変かもしれないけど、
体の線が細めで、瞳は大きく、髪の毛が長かったら女性と間違うかもしれない。
日本人には外国人の顔が美形に見えるだけかもしれないけど、イケメンだと思う。
エルクは赤い月の夜だけ、この公園で会える不思議な青年だ。