しょーとしょーと

青い瞳を光らせて笑うエルクに、美央もなんとか笑い返した。


エルクは不思議な人だ。


出会ってからもうすぐ5年になるけど、彼の容姿は何も変わらない。


出会ったときから今の青年姿で、どこも変わらないように思える。


もちろん、5年くらいだとたいして顔も体形も変わらない人もいるのかもしれない。


青年ということは、成長の時期は過ぎているわけだし。


考えすぎだ。


そう思ってはいても、いつも冷たい彼の体に触れる度、

彼は本当に生きているのだろうか、と美央は少し恐ろしくなる。


それでも、エルク以外に恋を知らない美央は、彼とともにあることを選んだ。


誕生日が過ぎ、彼の花嫁になる日。


それがたとえ美央の死ぬ日であっても。



(赤い月の夜、終わり)

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