しょーとしょーと
「何やってるんだ」
「お父さま! レーナがまた一人遅れたんです」
ミリヤはレイダスに訴えた。
レーナたち7人はレイダスの子供で、虹の妖精だ。
父親が雨を降らせてあがったところに虹をかけるのが仕事である。
ただカラフルな色を描くだけではない。
彼女たちの翼から出る色のついたキラキラした光には人間の幸福感を刺激する力がある。
人が闇の心に捉われすぎないようにする大事な仕事だ。
それを全うできないなんて、とレーナ自身も自分の情けなさに落ち込んでいた。
「出遅れたって言ってもほんの少しだ。大丈夫、虹はちゃんとかかっていたぞ」
「お父さま」