しょーとしょーと
レイダスはレーナに優しく微笑みかけた。
ミリヤとリリーは、父親がレーナに特に目をかけている気がして、気にいらない。
「お父さまがそんな風に甘やかすから、レーナは一向にうまくできないんです。
次にうまくできなかったら新しい虹の妖精を作って、レーナは御役御免にしてくださいよ」
「うーん。まあ、本当に虹のかからないことがあれば一大事だし、そういうことも考えるかもしれないがなあ」
「そ、そんな……」
レーナはショックを受けた。
次に大きく出遅れたら、この仕事を降ろされる。
虹の妖精なのに虹をかける仕事ができなくなったら、どうなってしまうんだろう。
「わ、わたし、がんばりますから……!」
レーナは振り絞るように言うと、その場から逃げだした。