しょーとしょーと
出遅れなければいい。
そうわかってはいても、自分では速く動いてるつもりなのに遅れてしまうので、どうしたらいいんだろう。
レーナは次々と流れる涙を止めることができなかった。
「おや、レーナ。どうしたんだい」
のんびりとした声が聞こえ、レーナは声の方を振り返った。
「サンク様……」
そこにいたのは太陽の神サンクだ。
父親と同じで天候を司る男神である。
「あ、あの、目にゴミが入ってしまって」
レーナは目をごしごしと擦って、誤魔化そうとした。
「ダメだよ。そんなに擦ったら」