しょーとしょーと
誰もいない会社(ホラー)
ある夏の夜、関口絵里(せきぐち えり)は一人で会社に残って仕事をしていた。
もう外も真っ暗で、社内も絵里のいる場所以外は電気を落とされている。
他の人は帰ってしまい、恐らく、絵里が最後の一人なのだろう。
「ああ、やーっと帰れるー!」
時刻は夜の10時すぎ。
ようやく仕事が終わり、パソコンを消したところでフロアの明かりが消えた。
真っ暗になる。
「な、なに……?」
警備員は絵里が残業中であることを知っているので、電気を消すとは思えない。
突然のことに絵里は動けなかった。
ただでさえ他の人のいない会社というのは不気味な気がするのに、真っ暗になってしまったら怖すぎる。
どうして電気が消えたんだろう。