しょーとしょーと

人のいたずらだったと知り、肩の力が抜けた。


知らぬ間にこわばっていたようだ。


「こんな夜遅くに洒落にならないですから、こういうことはやめてくださいね」


「ほんと、ごめん」


男性が顔の前に両手をやって謝るので、絵里は息をついた。


「もういいですけど」


絵里は荷物をまとめると、その人に「お疲れさまです」とあいさつをして、廊下に出た。




「あーもう、疲れたー」


1階におりて、体を伸ばす。


ずっと座っていたので、体がかたまっている。


絵里は警備員に社員証を見せて、「お疲れさまでしたー」と声をかける。


警備員は人のよさそうな笑顔を見せた。

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