しょーとしょーと
会社近くの居酒屋でご飯を食べ、会社に戻って三宅の車に乗り込んだ。
車通りの減った道をぼんやり眺めながら、
三宅に家の方向を説明したり、会社に関する話をしていると、あっという間に自宅の前に着いた。
「ありがとうございました」
運転席の三宅を見ながら頭を下げる。
シートベルトを外してドアを開けようとしたところで、三宅が「待って」と深雪の肩を掴んだ。
「三宅さん?」
振り向くと、思いのほか近くに三宅の顔があって、息をのんだ。
「花園って彼氏いるの」
「い、いえ」
「じゃあさ、俺とのこと考えてくれない?」
そう言うなり、三宅は深雪の唇に唇を重ねた。