恋人が消えた瞬間
あなたの血で染まっているナイフを握り、まだ狂って笑っている女目指して走る。




許せない、許せない、許せない。




憎しみはどろどろと流れるように私の心を支配していく。




私はどうなっても構わない。



憎いこの女を消せるなら。




純白のワンピースだって濁らせても構わない。




周りは、もう見えない。


悲鳴は、もう聞こえない。



あるのはあなたを失った絶望だけ。



そして女を消すという復讐心だけ。




「あぁぁぁぁぁ!!」



涙が流れるのも構わない。




ようやく異変に気付いた女の振り向きかけたと同時に、私はそれを振り下ろした。





愛しい人の、仇。






―――――!!




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