気がつけば・・・愛

・・・



気がつけば・・・
結婚してからの17年間を一気に話していた


「じゃあ、任せてくれる?」

「うん」

「相手の女からも慰謝料とる?
お手伝いさん、なんて言われて
あゆみが許しても私が許さないわよっ」

「え?」

「どうせ離婚するなら
とことん嫌われましょうよ
もう二度と会いたくないくらいにねっ」

「それより・・・」

離婚までの間どこに居れば良いかとか
不安な想いが溢れてくる

「先ずは調査入れるから
終わるまでは普段の生活してて
じゃないと勘づかれるわよ」

「うん」

「あゆみのことは私が守るから
任せて・・・それから」

引越しに向けて
なるべく荷物をまとめてと説明を受けた

話が進むごとに
少しずつ不安な想いが晴れてくる

お昼は外に行こうと連れ出してくれた
寛子とのランチは久々で楽しくて
大学生の頃を思い出して
コロコロと笑い合った

「あゆみはそうやって笑ってる方がいい」

小学生の息子を抱えて働く寛子は
自立していてキラキラ輝いてみえる

「まだ40歳だもん」

「まだやり直せるね」

食後のコーヒーで乾杯すると
いつもより前を向いて
不謹慎だけれど‥少し浮かれた気分で家に戻った









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