season
「須賀先生。今日うちらのクラス、3限目だよ!」
ナツの友達がそう教えてくれたけど…
ナツのクラスの授業が何曜日の何時間目にあるかなんて、とっくにインプットしてる。
だけど…
「そっか。じゃあまた、3限目にな!」
知らないフリして、背を向ける。
ナツは、学校で俺に話しかけることをひどく避けている。
だから、俺もなるべく話しかけないようにしている。
…ナツの心の奥底にあるトラウマを、思い出させたくないんだ。
そう自分にムチを打って、職員室に入ろうとした時のことだった。
「おはよう、瀬名。」
…背後で聞こえてきた、ナツを呼ぶ男の声。