season
「おはよう、神田くん。」
チラッと様子を見ると、ナツはニコッと微笑みかけながら挨拶をしていた。
相手は確か、ナツと同じクラスで、成績もナツに次ぐ学年2位の神田。
学業もさることながら、サッカー部でレギュラーの、爽やかイケメン。
生徒の反応を見る限り、どうやらかなりモテるようだけど…
そんな神田が、ナツに話しかけている。
……正直、知らないフリなんてできないし。
「数学でわからないところがあってさ。瀬名、得意だったよな?今度教えてくれないかな。」
「私でよければ、もちろん。」
二人の会話が嫌でも聞こえてくるこの距離。
しかも、よりによって数学の話。
神田、数学の成績いいよな?
わからないとこなんて、ないだろ?
仮にわからないところがあるなら、俺んとこ来いよ。
…って、言いてぇ。