season
対峙
それは、突然の春馬くんからの提案だった。
「ナツの親御さんに、ちゃんと挨拶したい。」
春馬くんのことはもちろん大好きだし、ずっとずっと一緒にいたいって思ってるけれど…
秋山先生と噂になって休学した時、お母さんが近所の人の噂に悩んでいたことを知ってるから。
お母さんまで悪く言われて、本当に申し訳なくて…
だから、今もまた“先生”と付き合ってるなんて…とても言えないよ。
返す言葉が見つからなくて俯いていると、春馬くんが頭をポンポンしながら笑った。
「ごめんごめん、困らせちゃったな。ナツが毎日のように俺の家に来てくれてるだろ?親御さん、心配してると思うんだ。」
確かに、毎日のように春馬くんの家で晩ご飯を食べて、お母さんとは朝食を共にするくらい。
むしろ、しばらく引きこもってたのを心配されてたくらいだから、私が外に出ることにはわりと賛成してくれていた。
特に何も聞かれないことをいいことに、自由にしていたけれど…
お母さん、本当はどう思ってるのかな…。